今回は、シルバーフェリーの「シルバープリンセス」と「シルバーエイト」に乗り、八戸と苫小牧を往復しました。
旅といえば、目的地を決めて観光地を巡り、名物を食べ、限られた時間の中で予定をこなしていくことが多いものです。
しかし今回の主役は、目的地ではありません。
ただ海を眺め、船の音を聴きながら過ごす――。
そんな「何もしない時間」そのものを楽しむための船旅です。
移動することが旅になる
フェリーに乗ると、出港した時点で日常から少しずつ離れていきます。
岸壁が遠ざかり、港の建物が小さくなり、やがて周囲に広がるのは海と空だけ。自分で運転する必要もなく、次の予定に追われることもありません。
船内を歩いたり、デッキへ出たり、客室で休んだり。
そして、何もせずに窓の外を眺める。
陸上ではつい何かをしてしまいますが、船の上では「何もしないこと」が自然に許されるような気がします。
明るい海を進む日中航海
今回は、日中の明るい海を進む船の様子を中心に撮影しました。
穏やかに延びていく白い航跡。
船体の低い振動と、一定のリズムで響くエンジン音。
時折聞こえる汽笛や、船首で砕ける波の音。
景色が大きく変わらなくても、海の色や波の形、雲の流れは少しずつ変化していきます。
遠くに見える船を目で追ったり、海面に反射する光を眺めたりしているうちに、時計を確認することも忘れてしまいます。
シルバープリンセスとシルバーエイト
往復では、それぞれ異なる船に乗船しました。
同じ航路を走るフェリーでも、船内の雰囲気やエンジン音、デッキから見える景色には、それぞれ少しずつ違いがあります。
行きと帰りで別の船に乗ると、単純な往復ではなく、二つの船旅を続けて味わっているように感じられます。
港へ到着することだけが目的ではなく、船に乗っている時間そのものが目的。フェリーだからこそできる、少しぜいたくな時間の使い方です。
動画で楽しむ「何もしない時間」
今回の動画では、説明や演出を詰め込みすぎず、エンジン音、汽笛、波の音、日中の海と航跡をゆっくり楽しめる構成にしました。
移動そのものを楽しむ、旅音チャンネルらしい船旅の記録です。
作業中や休憩中の環境映像として、あるいは、しばらく船に乗れていない時の「船旅成分」の補給として(笑)、のんびりご覧ください。
観光地を巡らなくても、特別な出来事が起きなくても、旅は成立します。
海を眺め、船の音に包まれながら過ごした時間。
何もしなかったからこそ、あとになって静かに思い出す旅になりました。
【航路】八戸―苫小牧
【乗船船舶】シルバープリンセス/シルバーエイト
【内容】日中航海・エンジン音・汽笛・波音・オリジナルBGM